理学療法士として働いているけれど給与が少ない
これから長く勤めていけば給与が上がっていくのか不安…
このような悩みを抱える理学療法士の方は少なくないでしょう。
本記事では、理学療法士の給与事情と将来性、そして年収アップの具体的な方法について詳しく解説します。
記事の後半で年収を上げる具体的な方法6選を紹介していますので
ぜひ最後までお読みください!
理学療法士の平均給与・年収は?業界の実態をチェック!
令和5年賃金構造基本統計調査によると、理学療法士全体の平均年収は432.5万円で、所定内給与額は29万円です。
所定内給与額とは・・・
基本給と毎月決まって支給される手当(住宅手当など)を合わせた金額のこと
残業代などは含まれない
令和4年の民間給与実態統計調査の結果、給与所得者の平均年収は458万円であり、理学療法士の年収は平均より少し低い水準にあります。
年収は経験年数や施設規模によっても変わってくるので、以下で細かく見ていきましょう。
経験年数別の給与の違いは?
経験年数 | 所定内給与額 | 賞与 | 年収 |
---|---|---|---|
0年 | 24.9万円 | 7.8万円 | 約306万円 |
1-4年 | 25.4万円 | 63.8万円 | 369万円 |
5-9年 | 27.7万円 | 68.8万円 | 402万円 |
10-14年 | 30.6万円 | 79.8万円 | 447万円 |
15年以上 | 33.9万円 | 95.3万円 | 501万円 |
10年目を超えると月給30万円を超える傾向にあります。現在の15年目以上は管理職などの役職に就く機会が多いためか、平均年収は500万円を越えています。
経験年数が上がるにつれて月給も上がっていきますが、上昇率は緩やかです。
男女別の給与の違いは?
性別 | 所定内給与額 | 賞与 | 年収 |
---|---|---|---|
男性 | 30.3万円 | 73.7万円 | 473.3万円 |
女性 | 27.5万円 | 68.7万円 | 398.7万円 |
男女で年収に差があることが分かります。これは、妊娠・出産などによるキャリア中断が影響していると考えられます。
経験年数や昇進機会の差が年収に表れている可能性が高いです。
施設規模での給与の違いは?
施設規模 | 決まって支給する給与額 | 賞与 | 年収 |
---|---|---|---|
1000人以上 | 29.8万円 | 84.3万円 | 約442万円 |
100-999人 | 29.8万円 | 69.4万円 | 427万円 |
10-99人 | 31.7万円 | 56.4万円 | 436万円 |
1000人以上の施設規模が一番年収が高いです。大規模施設ではより高度な技術・設備を有し、高い診療報酬を得られる場合があります。そのため、大規模施設の方が給与が高い傾向にあると考えられます。
ただし月給で見ると10~99人の施設が最も高い結果となりました。これは一人当たりの業務量の多さが影響していると考えられます。
理学療法士の給与は将来高くなっていく?今後の動向予測
結論から言うと、給与は経験年数につれて上昇しますが大幅な上昇は見込めない可能性があります。以下で理由を解説します。
養成校も有資格者も増えている
2024年3月末時点での理学療法士の総数(国家試験合格者数)は213,735人です。2023年度は11,312人が国家試験に合格者しています。
養成校は275校、養成校定員は14,714人です。この30年ほどで急増しましたが、この4,5年は横這いの状態です。
今は高齢社会といっても理学療法士が飽和する時代です。厚労省によると、2040年には供給が需要の1.5倍になると試算されています。需要よりも供給が増え、理学療法士の給料が上がらなくても人手が足りる状態になってきています。理学療法士の昇給率の低さは、理学療法士の数の多さも一つの要因となっているようです。
診療報酬や単位数の制約
理学療法士の診療報酬はリハビリを提供した単位(時間)で算定されますが、1日に取得できる単位には限度があります。つまり、やればやるほど稼げる仕組みにはなっていないのです。
診療報酬の枠組みの中で決まった報酬しか得られないので、経験やスキルが給与に反映されにくい職業といえるでしょう。診療報酬の大幅な改定などがない限り、理学療法士の給与が大幅に上がる可能性も低そうです。
理学療法士として年収をアップするための6つの具体的な方法
理学療法士としての給与が上がる見込みがなくても、個人で年収を増やす手段は色々あります。ここでは、具体的な年収アップ方法を6つ紹介します。
資格を取得する
認定理学療法士や専門理学療法士、登録理学療法士などの資格を取得することで自身の価値を高め、昇給につながる可能性があります。
先述した診療報酬の関係で大幅な昇給は見込みにくいですが、職場によっては手当がついたり昇進に関わったりするケースもあります。また、資格を持っていることで後に解説する「転職」で有利に働く可能性もあります。
非常勤としてアルバイトする
休日に施設などで非常勤として働く方法です。本業の収入に加えアルバイト収入を手に入れられます。本業以外の現場での経験を積むことで、知識や技術を高め専門的な人脈も広がる可能性があります。
ただし、アルバイトはあくまで時間の切り売りです。休養日が減り体力的な負担が大きくなるというデメリットもあります。ワークライフバランスを自身で考える必要があるでしょう。
独立する
理学療法士には開業権が認められていないので、独立して理学療法を提供することはできません。
ただし、理学療法士の経験や知識を活かし他の形で独立することは可能です。
例えば、
- 柔道整復師などの開業権のある資格を取得し、整体院やサロンを開業する
- パーソナルトレーナーとして開業する
- デイサービスや訪問看護ステーションなどの事業所を開設する
開業し自身が管理者となることで、理学療法士として雇用されている時よりも大幅に年収をアップできる可能性があります。
セミナー講師やアドバイザーになる
理学療法士としての経験や知識をセミナー講師やアドバイザーとして提供することで報酬を得る方法です。
コロナ禍以降オンラインでのセミナーは大幅に増加しました。会場準備やスタッフの確保などが不要になったことでセミナーを開催しやすくなっています。
告知・集客はSNSで行い、ZOOMを用いてオンライン上で開催すれば誰でもお手軽にセミナー講師として活動できます。
また、一般の方向けにマンツーマンで体の相談やトレーニングの助言などを行って報酬を得る方法もあります。オンラインで自分のスキルを販売することができる「 ココナラ副業を始める
仕事終わりや休日の時間を使って副業をするのもおすすめです。在宅でできる副業も多くあり、手軽に始めやすくなっています。
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転職する
転職して年収アップするのが一番手っ取り早いといえます。
たとえ年収があまり上がらなかったとしても、残業時間が減ったり、年間休日が増える職場に転職できれば副業などにあてる時間が増え、結果的に年収アップに繋げられます。
わたしは年収アップ&定時帰りの職場に転職したことで
年収が一気に100万円アップしました!
すぐに転職に踏み切る勇気がなくても、一度転職サイトに登録してどんな求人が出ているかチェックしてみることをおすすめします。
まとめ
- 理学療法士の平均年収は432.5万円
- 経験年数が上がるにつれて昇給するが増加率は緩やか
- 理学療法士は年々増加しており、今後も給与はあまり増えない可能性がある
- 給与を増やすためには副業や転職がおすすめ